『遙かなる時空の中で』乙女ゲームの先駆け
ネオロマンスシリーズの第２作目である『遙かなる時空の中で』は、2000年4月にPSで初めて発売されました。
その後、2002年にGBAに移植されています。
2005年には追加要素を加えて改題『遙かなる時空の中で～八葉抄～』がPS2で発売され、2013年にPSP版も出ています。
今はPSP版が入手しやすいと思いますが、古い作品の移植作品なので動作スピードは遅めです。
ストーリー
主人公は白龍の神子として、平安時代に似た異世界「京」へ召喚されます。
京では「鬼」と呼ばれる異能の力を持つ種族が、人々の暮らしを脅かしていました。
主人公は、神子の守護者で「八葉」と呼ばれる8人の男性とともに、京を守るために鬼と戦うことになります。
作品の特徴
変に凝ったキャラ設定がないため、安心してプレイできる内容です。
イケメンに守ってもらえるので乙女心をくすぐられます。
普通の女の子が、急に特別な存在になってイケメンに囲まれるわけです。
主人公は本当に普通の子なので、本来の自分と与えられた立場に苦悩します。
急に任された大役を使命感に燃えて受け入れるタイプではありません。あくまで普通の女の子が主人公。
キャラクター
・主人公（名前変更可）
白龍の神子として異世界に呼ばれた。顔出しがあり、性格は選択肢によって変化。
・源頼久（みなもとの よりひさ）
忠義をモットーとする武士。武士らしく神子を守ることに強い使命感を抱く。
・森村天真（もりむら てんま）
主人公と同じ高校に通っており、一緒に異世界へ飛ばされた。サバサバ系で周りに流されない。
・イノリ
鍛冶師見習い。まっすぐな性格でヤンチャ。短気なのがたまにキズ。
・流山詩紋（ながれやま しもん）
主人公と一緒に異世界へ飛ばされた中学生。外見を理由に苛められていたため気弱。
・藤原鷹通（ふじわらの たかみち）
真面目で公平な役人。物腰柔らかで人当たりがいい。浮いた噂が全くない程、仕事人間。
・橘友雅（たちばなの ともまさ）
美男で浮いた噂だらけの遊び人。物事の本質をよく見ている。
・永泉（えいせん）
穏やかで優しい人柄。高い身分でありながら、争い事を好まないため出家した。
・安部泰明（あべの やすあき）
強力な術式を用いるが、感情が欠落しているため人間の心を理解できない。
・アクラム
鬼の首領。冷徹無慈悲で仮面をつけている。神子の力を執拗に狙う。
八葉抄では攻略可能になっている。
システム
・戦闘システム
簡単な戦闘があり、マップに出現した怨霊を退治することになります。
戦闘システムは初期から変更がないため、少し古臭い感じがします。
コマンドを選んで怨霊のダメージを削っていきます。
独特なのが主人公の声かけシステム。戦闘中、状況に応じて声かけの選択肢が発生します。
良い声かけを選べば、仲間の能力がアップ、悪い声かけを選べば、能力がダウン。絆にも影響を与えます。
戦況によってはこの声かけが命取りになります
・マップ散策
マップを移動して、戦闘や恋愛イベントを起こします。
場所により、特定の仲間が技を習得することもできます。
・物忌み
主人公がマップ散策をできなくなる日取りがあります。
その時に一緒に過ごす相手を選べます。条件を満たせば物忌みスチルが出現
・攻略方法
恋愛イベントを起こす必要があります。
通常恋愛の場合、親密度を上げるだけではダメです。「心のかけら」をすべて回収することによって恋愛状況が進展していきます。
八葉抄には急展開恋愛ルートも存在します。こちらは親密度の高さによって恋愛イベントが進みます。
システム全体の動作スピードはお世辞にも早いとは言えません。
読み込みに時間がかかります。(近年のゲームは動作が速いため、かなり遅く感じる可能性あり）
スチル
なんせ初めて作品が出たのは2000年です。
八葉抄では修正＋追加スチルがあるので枚数も少し増えているのですが、率直に申し上げるとスチルはレトロな感じがします。
恋愛イベントも少なめなので、スチルもほかのタイトルから見ると少ないです。
ベースが2000年のものなので、そこはどうしても回避できないと思います。でも淡くて透き通るような繊細な色使いはさすがといった感じです。
糖度
糖度は低めです。過激な内容ではないので、変に身構えることなくプレイできます。
甘いセリフを言ってくれるキャラもいますが、イベントに関しても全体的に可愛らしい印象を受けます。
刺激が強すぎないので乙女ゲーム初心者さんには持ってこいかもしれません。
「あなたを守る」「あなたのために」系のセリフが多く、気障でクサいものも多々あります。現実主義者さんは鳥肌が立つ場合も。
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